障がいの有無などに関わらず、すべての人たちがその人らしく、活き活きと命を輝かせて生きることができる、そんな「包み込む社会」の創造を目指し、団体を設立することにいたしました。
日本は高度成長期以来、競争主義に走った結果、利益や効率を第一とする偏った価値観がはびこり、殺伐とした空気が蔓延しています。偏った価値観を改め、誰もが自然な笑顔で優しい言葉をかけたくなる・・・そんな温かくて思いやりに溢れる社会を実現することが、これからの日本に必要ではないでしょうか。
大切なのは「物質的な豊かさ」ではなく、本当の「心の豊かさ」です。人間本来の優しさを取り戻すべき時期にきていると考えるのは私ばかりではありません。今まで社会から取り残されてきた障がいのある人たちなど、いわゆる弱者と呼ばれる人たちが幸せになるような地域社会を実現するには、まず世の中にはいろいろな人がいることを認識することが必要です。共に助け合い、支え合って生きること、それぞれの個性を認め、それらを最大限に活かして自己実現できることが、すべての人間にとって一番幸せな生き方だということを、一人ひとりが再認識すれば、日本の社会は必ず変わると思います。 「勇気の翼 インクルージョン」では、「包み込む社会」の創造のために、障がい者理解の「教育」と「就労支援」を二つの柱にした活動を展開したいと考えております。 「教育」に関しては、特に頭も心も柔軟な子どもの頃から、いのちの尊厳や共生の理念を育み、障がい者との交流により、差別や偏見を持たない、心やさしい人づくりを応援したいと思います。
「就労支援」に関する活動についても急務です。障害者自立支援法が実施され、「障害者施設から地域へ」「援助から就労へ」と制度自体は転換期にありますが、受け入れる社会の意識はその変化に対応できていないのが現状です。誰もが「生まれてきて良かった」「皆が大切な存在」と認めあう世の中は、実は誰にとっても幸せな世の中であるということに皆が気付くには、実際に障がいのある方々を職場に受け入れ、一緒に過ごす体験をすることが一番有効です。 一人でも多くの方々に真のご理解をいただくために、教育と就労支援活動による社会の啓発に努めたいと思います。 「勇気の翼 インクルージョン」では、行政、大学、企業、NPO法人、学校、地域住民間に協力と情報のネットワークを構築し、「点」で存在している全国の素晴らしい活動を「線」に、さらには相互協力の輪を広めることで、「線」から「面」への大きなムーブメントをおこしたいと考えております。明確な目標を掲げ、絶対にやり遂げる強い意志を持ち、挑戦するたくさんの力を全国から集め重ねることで、夢は実現できると信じております。
以上の設立趣旨に基づき、孤立や排除ではなく、包み込む社会の実現に寄与することを願って、「勇気の翼 インクルージョン」の設立を発起いたします。

2009年6月1日
特定非営利活動法人 勇気の翼 インクルージョン
理事長 細川 佳代子